アンコールはリビングで
(……っ、私、自分でそんな色気増すようなものあげちゃって、本当に大丈夫なのかな……?)

彼の深く熱いキスや、体温を思い出してしまい、私はテラス席の風を浴びているというのに、自分自身の顔がみるみるうちに熱くなっていくのを感じていた。

「お待たせいたしました。季節のオーガニックサラダプレートです」

店員さんが運んできた色鮮やかなプレートを前にしても、私の頭の中は、これから迎える彼の30歳の誕生日と、あの特等席のリビングのことでいっぱいだった。

早く、会いたい。
早く彼に、これを渡したい。

彼が日本中を熱狂させているツアーから帰ってくる、その日が。

そして、彼が30歳という節目の年齢を迎える6月10日が、私は今から、待ち遠しくて仕方がなかった。
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