アンコールはリビングで
スマホを手に取り、凪とのメッセージ画面を開く。
そこには、俺が送った誰もいないドームの自撮りに対して、『湊なら絶対に大丈夫だよ! 世界一かっこいいステージにしてきてね。いってらっしゃい!』という健気な返信が残っていた。
「……ほんと、敵わねぇな」
画面越しでも、凪の優しい笑顔がはっきりと浮かんでくる。
SNSを開けば、俺のことを「伝説」「神」と崇める言葉が溢れかえっている。
けれど、そんな言葉の山よりも、凪からのたった一言の方が、今の俺には何倍も重く、切実に響いた。
俺がステージでどれだけ不敵に笑っていても、何万人に愛を叫ばれても、俺をただの『早瀬湊』という人間に戻せるのは、世界でただ一人、凪だけだ。
ふと、自分の左手首に光るプラチナのバングルに指を触れる。
3月の記念日に、俺が内緒で用意して、凪に贈ったお揃いのもの。
これがあるから、俺は離れていても繋がっていると信じられる。
けれど、一度凪の体温と温もりを思い出してしまえば、この広すぎる部屋も、贅沢な食事も、すべてがただの虚無に感じられた。
そこには、俺が送った誰もいないドームの自撮りに対して、『湊なら絶対に大丈夫だよ! 世界一かっこいいステージにしてきてね。いってらっしゃい!』という健気な返信が残っていた。
「……ほんと、敵わねぇな」
画面越しでも、凪の優しい笑顔がはっきりと浮かんでくる。
SNSを開けば、俺のことを「伝説」「神」と崇める言葉が溢れかえっている。
けれど、そんな言葉の山よりも、凪からのたった一言の方が、今の俺には何倍も重く、切実に響いた。
俺がステージでどれだけ不敵に笑っていても、何万人に愛を叫ばれても、俺をただの『早瀬湊』という人間に戻せるのは、世界でただ一人、凪だけだ。
ふと、自分の左手首に光るプラチナのバングルに指を触れる。
3月の記念日に、俺が内緒で用意して、凪に贈ったお揃いのもの。
これがあるから、俺は離れていても繋がっていると信じられる。
けれど、一度凪の体温と温もりを思い出してしまえば、この広すぎる部屋も、贅沢な食事も、すべてがただの虚無に感じられた。