アンコールはリビングで
「……まあ、はい。さっき」

「そっか。よかったね。今日のドーム二日目も、最高のテンションで挑めそうで安心したよ」

島崎さんは優しく微笑み、待機させていた送迎車へと俺を促した。

後部座席に乗り込み、スモークガラス越しに福岡の街並みを眺める。
昨日の熱狂が嘘のように、街は穏やかな日曜日の空気に包まれていた。

「あ、そういえば早瀬くん。今日の会場入りの前に、少しだけ時間があるんだけど。駅前の商業施設で、ちょっとだけ衣装の小物をチェックしたくて……すぐに終わるから、車で待っててくれるかな?」

「了解っす。……あ、いや。俺も行きます」

自分でも予想外の言葉が口をついて出た。
島崎さんがルームミラー越しに不思議そうな視線を向けてくる。

「珍しいね。いつもなら『車で寝てます』って言うのに」

「……ちょっと、見たいもんがあるんで」

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