アンコールはリビングで
片付けが終わり、そろそろお風呂に入ろうかと一息つこうとした、その時。

背後から、逃げ場を塞ぐような強い力で、湊に抱きすくめられた。

「……なぁ。もちろん、一緒に入るよな……?」

耳元で囁かれた、抗いようのないほど甘い、そして剥き出しの熱を帯びた声。

普段なら、彼のあまりの色気に気圧されて、恥ずかしがって茶化したり、逃げようとしたりしてしまうけれど。

でも、今夜は違った。

私だって、同じくらい彼の熱を、匂いを、そして彼そのものを求めていた。

「……うん。一緒に入ろ、湊」

私の返事に、湊の瞳がわずかに見開かれ、すぐに深い色を帯びた。

彼は私の身体を軽々と抱き上げると、そのまま逃がさないように強く抱きしめた。

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