アンコールはリビングで
「…………」

俺はスマホを握ったまま、ホテルの天井を見上げた。

鋭い。
いや、あまりにも鋭すぎる。

長年、スター・早瀬湊を細部まで観察してきた彼女たちには、早瀬くんの中に確固として存在する「凪さんへの途方もない愛情」が、隠しきれない美しいノイズとして届き始めているのだ。

彼がデビューする前から、彼を支え続けてきた凪さん。
彼がどれだけスターダムを駆け上がっても、どれだけ日本中から「神様」と崇められても、彼を決して見失わせず、等身大の「早瀬湊」として地に足を着けさせているのは、間違いなく彼女の存在があったからだ。

凪さんという唯一無二の理解者であり、彼にとっての本当の意味での『聖域』があるからこそ、彼の音楽はここまで深く、生々しく、聴く者の魂を揺さぶるようになった。

ファンが「まさかね」と笑い飛ばすその想像の遥か上をいくほど、今の早瀬くんの心は彼女で満たされている。

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