アンコールはリビングで
3. ミッドナイトブルーの秘密と、一人だけの赤面

ライブは後半戦へと突入していく。

会場が一度完全に暗転し、ステージ上の照明が、深く妖艶なミッドナイトブルーに染まった。

六月一日にリリースされたばかりの先行シングル、『Melt』だ。

気怠げで色気のあるアコースティックギターのカッティングから始まり、重低音のベースと心地よいビートが絡み合う。

湊はセンターステージに立ち、スタンドマイクを前にして、ギターを弾きながらハスキーで甘い低音を響かせた。

輪郭線が 夜に溶け出して
意味のない理屈が 音もなく剥がれる

吐息のようにグルーヴに乗る、極上のR&Bナンバー。

世間や音楽評論家たちは、この曲を「夜の闇と音楽のビートに身を委ね、自分自身の境界線が溶けていく解放を歌った、高尚で芸術的な楽曲」だと絶賛している。

周りのファンたちも、その大人びた色気と完璧なパフォーマンスに、うっとりとため息を漏らしている。

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