アンコールはリビングで
「あ、それでね。お祝い、何にしようか迷ってて。相談させて」

「ん」

「商品券が確実なのかなとも思ったんだけど、なんか味気ないでしょ? 新婚だと物も増えるだろうし、消えものもいいかなとか、いろいろ考えてたんだけどねぇ……」

そこまで言って、私はふと、テーブルの上の二つの器に目を落とした。藍色のどんぶりと、縁の少しいびつな小鉢。

同じ日に、同じ場所で、隣同士で作られた、揃いのようで全然揃っていない二つ。

「……あ」

「どうした」

「器がいいのかも」

自分で言いながら、するすると考えがまとまっていく。

「夫婦箸と、ペアのお茶碗。毎日使うものだし、二人分あるっていうのがいいなって」

「確かに、それいいかもな」

そこで私は、麦茶のグラスを両手で包んだ。

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