アンコールはリビングで
「……ねえ、湊」

「んー」

「やっぱり、今日はこのまま干物になろう。エアコンの風に当たって、ゴロゴロしてるのが一番だよ」

私がそう言って、彼の隣のラグの空いたスペースにコロンと転がると、湊は寝返りを打って私の方を向き、長い腕を伸ばして私の腰をぐいっと引き寄せた。

「わっ……湊、暑いよ……」

「いいから。……干物ってのは、並べて干すもんだろ」

文句を言いながらも、彼自身の高い体温と、首筋から漂う彼の甘い匂いに包まれると、不思議と嫌な気はしなかった。

私たちは、エアコンの効いた部屋の中で、お互いの体温を分け合うようにして、ただただ怠惰な時間を溶かしていった。

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