幼なじみは不滅です!
「もう、学校に来た早々、寝ようとしないでよ!」

あたしは助けを求めるように、さりげなく教室を見回す。
すると、困った顔を浮かべている瞬くんと目が合った。

『迷惑をかけてごめん』

そう言ってるような瞳が、あたしをまっすぐに見ていて、思わずドキッとしてしまう。
ううっ……。
瞬くん、相変わらず優しいなあ。
ここにいる瞬くんが偽物で、本物の瞬くんは死んでいるなんて。
何度考えても、とても信じられないよ。
あっ……。
信じられないことといえば、もう一つ。

『消しゴム、レベル10。気にしてほしい度10』

瞬くんが、こっちを見てくれたドキドキをかき消すように。
消しゴムのステータスのバカでかい文字が、空間を陣取(じんど)っている。
隣の席なのに、もう最悪……。
この不思議なステータスが見えるようになってから、あたしと瞬くんの間には、いつも透明で分厚い壁があるみたいだ。
すぐ隣の席なのに、ステータスのせいで、瞬くんがずっと遠くにいるように感じてしまう。
しかも相変わらず、あちこちの机やイスが、デカデカと自身のステータスを主張していた。
うーん。
どうして、机とイスは、こんなにも自分自身をアピールしようとしてくるんだろう。

(あっ……もしかして!)

そのステータス表示にピンときた。
このステータスが見れる能力って、そのものの個性――性格が分かるのかも。
つまり、あたしたちのクラスの机とイスは、自分に自信があるんだと思う。
見てほしいアピール中。
そう、自信満々な机とイスなんだ。

(ふむふむ。これは思わぬ大発見。でも……)

あたしはその性格の情報が、何の役にも立たないことに気づく。
うわーん!!
意味ないよ!!
あたしが心の中で泣いていると、授業開始のチャイムが鳴った。
担任の坂田先生が教室に入ってきて、朝の会が始まる。

「今日の一時間目は学級活動。そこで係決めをするからな」

あっ……そっか。
もう、新しい係決めの時期なんだ。
前はゲーム係だったけど、今度はどんな係にしようかな。
みんなの困っていることを解決できる係になりたい……って。

『消しゴム、レベル10。気にしてほしい度50』

……うわあっ!
また、消しゴムのアピールが……!
しかも何気に、気にしてほしい度がアップしている。
うーん、ここは触らぬ神に祟りなし!
だって、なるべく平和に過ごしたいもん!
動揺をぐっとおさえ、一時間目に集中した。
その結果……。

「じゃあ、緒方と岩内が、クラスの調査をしたり、悩みを解決する解決係な」
「ええっー。岩内さん、いいな!」
「緒方くんと一緒なら、わたしも解決係にすれば良かったー」

先生の決定に、クラスの女の子たちがざわめいた。
クラス中の視線が集中して、めちゃくちゃドキドキする。
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