幼なじみは不滅です!
……うん、偽物とか関係ない!
このまま、みんなとずっと一緒にいたい!
いつしか、あたしの心に、そんな気持ちが芽生(めば)えていた。

「隼人、瞬くん。ありがとうね」
「ん?」
「何が?」
「ぜんぶ」

あたしの満面の笑顔に、隼人と瞬くんはきょとんとする。
二人と一緒にいると、毎日が楽しい。
だから、これからもみんなで嬉しいこと、増やしていこうね。



凛花ちゃんの家を出た頃はもう、日が沈む間近だった。
空は、段々と黄昏から夜に近づいていく間の、一番深い夕焼けの色をしていた。
お母さん、心配しているかも。
急いで帰らなくちゃ!

「隼人、瞬くん。今日はありがとう」
「おう。また、一緒に遊ぼうぜ」
「うん。いつでも呼んでね」

隼人と瞬くんの優しさに、心がぽかぽかと温かくなる。
まるで、特別なプレゼントをもらったような幸せだ。
なんて素敵なんだろう。
思わず、クスッと笑みがもれる。

「ねえ、隼人、覚えている?」
「なにをだよ」

あたしの呼びかけに、隼人は不思議そうに首をかしげた。

「凛花ちゃんが転校してきた日のこと」
「ああ、忘れるわけねーよ。佐渡の自己紹介、めちゃくちゃテンション高かったからなー」

あたしの考えを見透したかのように、隼人は言う。

『こはるちゃん、これからよろしくばい』

ふっとよみがえる、凛花ちゃんの声。
思い出すのは、桜が舞う春の日のことだ。

『うちは佐渡凛花。……って自己紹介、全く考えとらんかった。どうしたらいいとかいな』

あの日、黒板の前に立った凛花ちゃんは、辺りをキョロキョロしていた。

『そもそも、なんで自己紹介が必要か分からんっちゃけど』
『なんでって言われてもな……』

坂田先生との漫才のようなやり取り。
凛花ちゃんがひときわ目立つ自己紹介をしてから、クラスの話題はしばらくの間、そのことで持ちきりだった。

『佐渡凛花ちゃんか……』

あたしはぽつりとつぶやく。
その瞬間、凛花ちゃんと友達になりたい。
そんな想いに震えたんだ。
あの日の春の出来事を思い出しながら、商店街の通りを歩いていく。

「懐かしいね」
「そうだな。まあ、佐渡は今も、テンション高いけどなー」

あたしがえへへと口元をゆるめると、隼人はそう言って歩き出す。
あたしもすぐに、隼人の後を追おうとして――。

「……うん。懐かしいね」

振り返ると、瞬くんはまるで痛みをこらえているような顔をしていた。
心の中が、ざわざわと騒ぎ出す。

「今の僕は隼人だから、隼人の思い出は僕の思い出でもあるんだ……。僕がいない時の出来事なのに……変なの」

気のせい、だろうか。
その一言を口にした時、瞬くんの顔がどこかさびしそうに見えたのは。
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