幼なじみは不滅です!
「ふーん。二人とも、楽しそうだなー」

あー。
やっぱり、からかっている。
そのことに気づいたあたしは力強く宣言した。

「隼人もニヤニヤしてないで、ほら、手伝うっ!!」

あたしは真っ赤になった顔を隠すように、空のじょうろを隼人の胸にぽんっと押し付ける。

「うわっ、まじで!? 結局、また、水やりをすることになるのか……」

隼人が悔しそうに言う。
その言葉に少し違和感を覚えたけど、よく考えたら、目の前の隼人は今日を二度体験しているんだった。
改めて考えると、これって隼人は未来のことを前もって知っているってことになるんじゃないかな。
もしかしたら、隼人の思いどおりの未来になってしまうかもしれない。
不安を抱いていると。

「はあっ……、何でだろうな。夢と違うことをしようとしても、夢の内容と同じ流れになってしまう」

しみじみと言う隼人に、あたしは目を丸くした。
……良かった。
どうやら、心配する必要はないみたい。
未来のことが分かっても、隼人は隼人だった。
少なくとも、隼人のせいで、未来が変な方向に行くことはなさそう。

「それにしても、ステータス画面に出てくる『気にしてほしい度』とか、『満足度』とかってなんだろう?」
「ステータス?」

あたしの疑問に、瞬くんは不思議そうに首をかしげる。
あ、そっか…….。
瞬くんは、今日一週目の隼人。
まだ、あたしの能力のことは知らないんだ。

「その、実はね……」

あたしは改めて、自分の能力のことを説明する。
すると、瞬くんは真剣な目で花壇を見つめた。

「それって、モノの要望……みたいなものかもしれないな」
「要望?」

あたしは瞬くんの言いたいことがよく分からなくて首をかしげる。
すると、瞬くんは少し考えてから切り出した。

「あらゆるものには、魂が宿っているって言われているんだ。要望は、自分がしてほしいと望んでいること。モノは自分の望みを、ステータスとして表しているのかもしれない」

つまり、花壇の『気にしてほしい度』は、花壇が自分を見てほしいと思っている値を、数字で表しているってことだ。
それが100になると、謎の選択コマンドが出てくるのかもしれない。
そして『満足度』は、そのことが達成されて満足したということだと思う。

モノの……要望。

そう思うと、視界に浮かぶ半透明の文字たちが、なんだか愛おしいものに見えてきた。


(あれ……? ってことは……)

状況を整理していたあたしは、そこではたと思い返す。
瞬くんに、あたしの能力のことを話した。
それって、今日二週目の隼人は、あたしの能力のことを事前に知っていたということになるんだよね。
隼人はこちらを振り返ると、いたずらが成功したような顔をしていた。
あ、やっぱり!
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