獰猛な竜騎士と草食系悪役令嬢

002 提案

「……いいえ! まさか。そんなわけはありません。すべて誤解なのです。ですが、私の話を聞いて貰えるような状況ではありませんでした」

 そうだった。私の言葉に耳を傾けてくれる人なんて、誰も居なかった。

 だから、絶望した。

 どんなに言葉を重ねても、誰もわかってくれないと、心を閉ざした。

 夜会中に、企んでもいない殺害未遂を突然告発されてフレデリックに婚約破棄された私は、こうして城から着の身着のままで路上に放り出されてて、国外追放されることになった。

 それは、罪によって与えられた罰であるかもしれないけれど、私にとっては誰の味方も居ない世界からの解放を意味していたのだ。

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