「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい

「悲しいことも沢山ありましたが、この森に来てからは楽しい事ばかりでした。そのおかげで心は穏やかで、棘は消えていったんです。もしあのまま家にいたら棘は増え続け、私は魔王となっていたのかもしれません。でも今は幸せで……」

 そう、最近は幸せなことしかない。

 この人がそばにいてくれる。

 それだけで幸せで心が温かくなる。

「ジュウド様、私は人を愛することを知ってとても幸せなんです。今では魔王の斑紋に棘はありません。美しく咲く花の痣に変わりました。それは私が幸せだと感じているからなんだと思います。この石碑には愛されるもの、穢れ無き魂は聖女だと読めます。自分が聖女なのかは分かりませが、この痣を見るかぎり私は魔王では無いのだと思えてうれしいです」

 私は魔王にはならない。

 私はこの人に愛されて幸せになる。


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