「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
魔王と真実の実証

 ***

 ジュウド様が王都へ旅立つ日の3日前、私たちはあれから家に籠ることが多くなった。ジュウド様が私を離してくれないのだ。朝昼晩と気づけばベッドの中にいた。さすがは勇者で騎士団長様と言うべきなのか、体力がずば抜けている。それに付き合わされれば、普通の人間なら疲労でどうにかなってしまっていることだろう。しかし私は魔王?なわけで、ジュウド様についていけるだけの体力があったし、治癒魔法も使えるのでいろいろと大丈夫だった。

 そう、いろいろと……。

 朝起きるたびに自分にこの能力があって良かったと、つくづく思った。

 今日もベッドから起き上がり、自分に治癒魔法をかける。すると体のだるさや痛みが消えていく。ふーっと大きく息を吐きだして、私の隣で眠るジュウド様を見つめた。騎士団長という職に就くジュウド様が、無防備に自分の隣で眠る姿に胸がキュンと高鳴る。

 その時だった。

 リトが何かの気配に気づき、外に飛び出して行った。

 私はすぐに目を閉じて意識を集中させる。するとリトの見ている景色が鮮明になっていった。

 木々を分けるように走るリトの視線に、寝起きのせいかめまいを起こしそうになる。景色が後ろへ後ろへと次々に流れていく景色は、普通の人間では見ることが出来ない景色だろう。

 そんな景色がピタリと止まる。

 そしてリトの視線の先に、魔聖教会の人間を捉えた。



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