「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
白髪のようになってしまった髪を一房手に取ってみる。理由は分からないが、特に問題はないため気にすることもないかな?
だって私は魔王だから死なないしね。
それより今気になるのは、私の膝の上にいるこの毛玉のことだ。
「あれ?この子、真っ黒だと思ったけど、しっぽの先だけ白い」
同じ色を持っているだけで、なんだかお揃いのようでうれしくなる。
「ふふふっ……お揃い」
そう言いながら笑っていると、膝の上にいた生き物がピクッと動き、ゆっくりと目を覚ました。その瞳はきれいな空色をしていた。
「まあ、あなたの瞳はきれいな空色なのね。澄んだ空の色。とても奇麗だわ」
じっとその瞳を覗き込んでみると、その瞳に映った自分の瞳も空色だった。今まで自分の瞳の色に気づかなかった。鏡を見たことがなかったせいで、自分の容姿がどんなものなのか知らない。髪は切らずにそのままだったため、髪色は見ることができたが、自分の顔は見ることが出来なかった。だから初めて自分の姿を見て驚いた。私は魔王となる人間だから、もっと恐ろしい姿をしていると思っていた。しかしそこにいた自分はいたって普通の女の子だった。
拍子抜けだった。