「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい

 屋敷の人間がどうして、私のことを気味の悪い呪われた子と呼ぶのか。そして私がどうしてこんな場所にいるのか……それは、私が『魔王の斑紋(はんもん)』持ちだったからだ。私には鎖骨下から首元にかけて茨(いばら)の棘(とげ)の様な痣がある。この痣は生まれた時からあり、言い伝えによるとこれは『魔王の斑紋(まおうのはんもん)』と呼ばれているものらしい。魔王の斑紋をもつ者は食料を必要とせず、水分も必要としない。こうして牢屋に転がしておいても、餓死することはない。その為、私は何年もここにほったらかしにされている。

 この痣を持つものは100から200年周期で現れ、成長すると魔王になると言われている。魔王の命を絶つことが出来るのは勇者のみ。勇者は太陽の痣を持って生まれてくる。勇者の痣、それは『勇者の聖痕』と呼ばれ、その聖痕がある者のみが魔王の命を奪うことが出来ると言われている。それ以外に魔王の斑紋を持つ者の命を奪うことは出来ない。そして魔王自身も自分の命を絶つことは出来ない。つまり自害が出来ないと、そう言われている。それは全て言い伝えだとも言われていたが、こうして私が生きていることこそがその証明になっている。魔王である私は勇者にしか殺すことが出来ないというのは真実なのだろう。



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