「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
でもこれで王城に行く回数は減らせられるのではないかと思う。非難はされるだろうが知ったことではない。
レンに王城での出来事を話すと、一瞬沈黙してから爆笑しだした。
「団長最高っすよ。良く言ってくれたって、皆言ってくれますって」
大きく溜息をつく俺の元に、大きな体躯の男が近づいて来た。
「ジュウド!元気にしていたか?!」
「騎士団長!」
「あはは。俺はもう騎士団長じゃないぞ。シドだ」
豪快に笑うのは元騎士団長のシドさんだ。騎士団を退任したころのシドさんは、げっそりとやせ細って、いつも背中に影を背負っていたが今は全く違う。目の下のクマもなく、肌艶もよく、筋肉隆々で生命力にあふれている。騎士団を辞めてからの方が生き生きとしているように見える。
「シドさん……俺……騎士団長を辞めたいです」
「あははは……わかる、分かるぞ、その気持ち」
俺の背中を強めにバシバシと叩きながらシドさんが言った。
「あいつらに何か言われたのか?」
陛下たちをあいつらとは不敬な言い方だが、俺はそれをサラリと聞き流した。