「魔王の定義」魔王になる運命の私は、その運命にあらがいたい
「王城に呼ばれるたびにグチグチと言われて、陛下は怒り散らして話にならない。こっちの状況を見ようともしない。こんなに平和なのに、何に怯えているんだか」
「まあ、仕方ないさ。あいつらは全てにおいて小さいからな」
「ぶっ……あはは」
シドさん言葉に思わず吹き出して笑った。久しぶりに笑ったかもしれない。
「俺、勇者も騎士団も辞めて、この森で暮らしたい」
「分かるぞ。でもお前は無理だな。お前は勇者だし、騎士爵を陛下から与えらちまってる。この時点で貴族の仲間入りをしちまってんだよ。てことは貴族の義務が発生するってことだ。森での暮らしは諦めろ」
そんな……。
もらえるものは、もらっておこう。
そんな軽い考えでもらった騎士爵のせいで、首を絞めるはめになるなんて……。
ジュウドは真っ青になって、何も言うことが出来なかった。
落胆するジュウドを見ながら、騎士たちは憐れみの視線を向けることしか出来なかった。