シトラスの魔法が解けるまで
シトラスからの言葉
「……藤井」
足音のした方へ視線を向けようとした瞬間、真横から低い声が降ってきた。
心臓が口から飛び出しそうになって、私は手に持っていた本を落としそうになる。
ゆっくり顔を上げると、そこには瀬戸が立っていた。
いつもなら私の姿を見た瞬間に目を逸らすはずの彼が、今日は逃げない。
むしろ、私の逃げ道を塞ぐように一歩踏み込んでくる。
「……あ、瀬戸、…」
「昨日。……悪かった」
至近距離で、彼から漂う微かな体温とシトラスの香り。
昨日の図書室で、あんなに惨めに背中を見送ったはずなのに。今、彼は私の目の前で、耳の先を赤くして立っている。
足音のした方へ視線を向けようとした瞬間、真横から低い声が降ってきた。
心臓が口から飛び出しそうになって、私は手に持っていた本を落としそうになる。
ゆっくり顔を上げると、そこには瀬戸が立っていた。
いつもなら私の姿を見た瞬間に目を逸らすはずの彼が、今日は逃げない。
むしろ、私の逃げ道を塞ぐように一歩踏み込んでくる。
「……あ、瀬戸、…」
「昨日。……悪かった」
至近距離で、彼から漂う微かな体温とシトラスの香り。
昨日の図書室で、あんなに惨めに背中を見送ったはずなのに。今、彼は私の目の前で、耳の先を赤くして立っている。