私の体にメスを入れて
そんなことを考えてやめる。私が死ぬとしたら、あの人の腕の中がいい。私の体にメスを入れるのだって誰でもいいわけじゃない。絶対に叶わないけれど、あの人にーーー。

デスクの上に置いたスマホが振動した。私は胸を高鳴らせながらスマホを手に取る。メッセージを送った相手の名前を見て、心臓が苦しくなるほど嬉しさを覚えた。

(またメッセージをくれるなんて!)

メッセージの送り主の名前は緑川尚(みどりかわなお)。昨晩夜を共に過ごした相手だ。そしてーーー。

『三日後、××でパーティーがある。一緒に潜入してほしい』

私は、公安警察である緑川の協力者である。



三日後、私はウキウキしながらパーティーへ行く支度をしていた。クローゼットから取り出したのは黒い膝丈のドレス。胸元が大きく開いているけど、フリルやリボンもついていて可愛らしさもある。お気に入りの一着だ。

メイクボックスを開ける。パーティーに行くのだから、今日はいつもより華やかにしないといけない。

アイメイクはラメの入ったゴールドと黒のアイライン。リップは深い赤を。眉はシャープに整えて。
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