日向家の諸事情ですが。
秘密だらけの御曹司




「よーしまずは全廊下をモップ掛け…っと!!」



ふんっと腕まくりをして、長い長い廊下を見据える。

換気よし、お日様よし、準備よーしっ!!


日向家に派遣されて本日2日目。
空は朝から快晴なり。


気合い十分なわたしが、バケツにモップをちゃぷんっと浸したところで。



「おい。おまえ病み上がりだろ」


「うおわっ!?……あーー!!」



案の定バケツ、ひっくり返す。

背後に現れたのは長男、日向 識だ。


許されなくともわたしは彼のことを「アニキ」という愛称で呼びたいと思っている。



「今すぐ拭きます!!だからクビにはしないでっ、3日間はぜったい頑張るから…!」


「熱は大丈夫なのか」


「へっ…?」


「おまえ昨日、40度あったんだぞ」



どこか心配している表情で様子を覗き込んでくるイケメン第一号。

初めましての昨日にあれだけ顔面くしゃみを連発したにも関わらず、ぶっ倒れたわたしをメイド専用の部屋まで運んで付きっきりで看病してくれたのは。


────ほかでもなく、このお兄さんだ。



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