初恋の相手と運命の再会を果たしたら、イケメン社長になっていて溺愛されています
「高橋くん、お待たせ。待った?」

「いや、別に。今さっき来たばかり」

高橋くんの機嫌はまだ悪そうだ。そんなに露骨に態度に出すくらい嫌なら断ってくれてもよかったのに。
先に誘いを断っておいて、その誘いを利用したのは私だが、ここまであからさまな態度で嫌な態度を取られると気分が悪かった。
それでも高橋くんが誘いに応じ、来てくれたので、ここはひとまず黙って受け入れることにした。

「それじゃ揃ったし、お店に行きますか」

会社を後にし、そのままお店へと向かった。
柊真と柊真の幼なじみの秘書さんとは、お店で直接落ち合うことになっている。
三人で一緒に歩きながら、お店へと向かう道中は落ち着かない雰囲気だった。
高橋くんの機嫌がずっと悪く、気を遣って峯さんが話しかけても、全然話を広げず、無愛想に対応している。

私は釈然とせず、高橋くんに対して苛立っていた。
それでも怒りを抑えて、お店までの道中を乗りきり、無事にお店に辿り着いた。
事前に席を予約していたので、名前を伝えて、お店の中に通してもらった。
案内された席は個室の席だった。できるだけ人に見られたくなかったので、お店の人に個室の部屋にしてもらった。
ちなみにお店は和食のお店にしたので、お部屋は和室だ。畳に長テーブルが置いてあり、皆で囲んで座る形だ。

「わぁ…。広いお部屋ですね」

五人が集まれる部屋ともなると、それなりに広い部屋にしてもらえたみたいだ。

「彼氏もお友達を連れて来るから、それで広い部屋にしてもらったの」

「そうだったんですね。彼氏さんのお友達もどんな方が来るのか楽しみですね」

まさか社長とその社長の秘書が今からやって来るなんて想像もしていないはず。
二人が愕然とする姿を想像しながら、柊真が到着するまで待った。
峯さんは心弾ませながら待っているのに対し、相変わらず高橋くんは怪訝そうな顔をしている。
せめてこの場だけはその顔を止めてほしい。皆が気を遣うし、柊真が高橋くんを目の敵にしているので、その態度は余計に柊真に疑念を抱かせてしまう。
この場を設けたのが間違いだったのだろうか。私の心が限界を越えそうになった時、タイミング良く柊真達が到着し、襖が開いた。
< 59 / 105 >

この作品をシェア

pagetop