初恋の相手と運命の再会を果たしたら、イケメン社長になっていて溺愛されています
「彼は終始、態度が悪かったな。さすがにあの発言はなかった」

飯田さんは高橋くんが去った後、苦々しげに述懐した。
残された全員が飯田さんの言葉に複雑な表情を浮かべていた。

「仁、あまり彼のことを悪く言うな。彼はきっと自分の気持ちを押し殺して、美優のためにこの場に参加してくれたんだ」

私のため…。本当はこの場に参加したくないと思いながらも、高橋くんは私のために無理して参加してくれた。
分かっていた。高橋くんが無理をしていたことは。それでも私は彼が私と柊真の交際を祝福してくれると、最後まで信じたかった。

「ふーん、なるほど。柊真、気をつけろよ。彼は手強いぞ」

「分かってる。だから牽制するために、この場を設けたんだ」

「肝心の本人は全く彼の気持ちに気づいていないみたいだけどな」

どういうことだろうか。私は状況が上手く読めなかった。

「峯さん、二人の会話の内容を理解できてる?」

峯さんに尋ねると、峯さんは一瞬、虚を突かれた顔をしたが、すぐにいつも通りの表情に戻った。

「ごめんなさい、私にも皆目見当つかないです」

峯さんの表情を見て、すぐに分かった。本当は分かっているのに、誤魔化されたのだと。

「峯さんも分からなかったか。ごめんね、変なことを聞いて…」

これ以上、追求しなかった。追求してはならないと言われてるかのように感じた。

「いえ。お気になさらず…」

微妙な空気が流れ始め、お互いに沈黙が流れた。
会話を転換させようとしたが、柊真と飯田さんも会話を終えたので、解散することになった。

「それじゃまた月曜日に…」

「はい、また月曜日に」

不可解なことはあったが、気に留めないでおくことにした。
気にしても仕方がないことだってあるし、気にしたところで不可解なことが解消されるとは限らない。
今は何も気にせず、大切な人達に恋人を紹介することができて良かったと心の底からそう思っている。

「ねぇ、帰りに美優ん家に寄ってもいい?」

「いいよ。まだ一緒に居たいって思ってたから」

「週末も美優の家で過ごしてもいいかな?」

「もちろん。寧ろそうしてくれないと寂しいもん」

「そう言ってもらえて良かった。俺も美優と一緒に過ごせないのは寂しいから」

付き合い始めたばかりの私達は、一分一秒でも離れがたい。
甘い一時を過ごせる週末はとても貴重な時間で。早く家に着いてほしいと強く願った。
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