初恋の相手と運命の再会を果たしたら、イケメン社長になっていて溺愛されています


           *


目を覚ますと、翌朝を迎えていた。
彼の腕の中に包まれながら、彼の寝顔を見て目覚める朝は、とても気分のいい目覚めだ。
身体は昨夜の情事で疲れているが、心はとても晴れやかで。
寧ろ身体の疲れが彼との熱い夜を身体に刻み込まれているかのようで。私にはちょうど良かった。
昨夜の余韻に浸りつつ、彼の寝顔を見ていると、彼が目を覚ました。

「おはよう…」

私の方から彼に声をかけた。すると彼も「おはよう」と返してくれた。
寝起きの掠れた声が妙に色気があって。私は朝から心が高鳴った。

「会社に行きたくない。このまま美優とベッドの上でゴロゴロしていたい」

私もできればそうしていたい。彼と少しでも長く一緒に居たいと思ってしまう。

「私も行きたくない。柊真とずっと一緒に居たい…」

今日が休日だったら良かったのに。何度もそう思った。
それでも会社に行かないといけない。社会人として、仕事に対して責任がある。
もし私利私欲のために会社をサボったら、その責任が他の人に回ってしまう。
そういうわけにはいかない。自分の仕事は自分で責任を取らなくてはならない。

「そうできたらいいのにね。また週末まで我慢だ」

名残惜しいが、ベッドから起き上がり、会社に行くために準備を始めた。
支度をしながら、早く週末にならないかな…なんてことを思った。


           *


頑張って一週間を乗り切った。これでようやく柊真と心置きなくイチャイチャできる。
仕事を終え、帰り支度を進めていた。今晩の夕飯は何にしようと心を弾ませながら。
華金ということもあり、周りもそういった様子である。皆、それぞれ予定があり、浮き足立っているのであろう。
しかし、その空気が一転した。とある社員が社内の空気を一気に変えてしまった。

「ビックニュース。社長の婚約者が会社に来たぞ」

社長の婚約者…?この言葉が私の心の中で繰り返し再生される。
婚約者って誰?婚約者がいながら、私を口説いていたってこと…?
私の心は一瞬で打ち砕かれ、思考が停止した。これ以上、何も考えたくなかった。
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