初恋の相手と運命の再会を果たしたら、イケメン社長になっていて溺愛されています
「美優、ごめんな。辛い思いをさせて…」

優しく抱きしめ返してくれた。彼の腕に包まれて私は安心したのか、塞き止めていた想いが涙となって溢れ出た。
彼は黙って私を優しく抱きしめながら、頭を撫でてくれた。彼の優しさが私の心の中に温かい炎を灯してくれた。

「柊真、謝らないで。柊真は何も悪くないから」

柊真は大手企業の御曹司だ。婚約者の一人、いてもおかしくない。
頭では分かっていても、心が追いつけなかった。

「柊真に婚約者がいるって聞いた時、私じゃ柊真に不釣り合いなんだって思って落ち込んだの。でも同時に柊真を誰にも渡したくないって思ったの」

たとえ本当に婚約者がいたとしても、私は諦めきれなかった。
やっと柊真と再会し、柊真と恋人になることができた。
何十年…と想い続けた彼への想いは簡単に諦めることはできなくて。
願わくば婚約者なんていないでほしいと切に願った。結果、婚約者ではなくお見合い相手で。断ったことも知り、安堵した。

「柊真から婚約者じゃないって聞いて安心した。柊真のご両親にも私のこと、受け入れてもらえているみたいだし」

「当たり前だろ。俺の親だぞ?絶対に美優のことを好きになってくれると思うぞ」

まだご両親にお会いしたことがないので確証はないが、それでも彼が絶対という言葉を使ってくれたことが嬉しかった。

「そうだといいな。近々、お会いしたいですって伝えておいてほしい」

「分かった。ちゃんと伝えておくな」

「でもどうしてお見合い相手が今日、会社に来たの?」

私の問いに、彼は苦い顔を浮かべた。

「お相手の方がお見合いを断られたことに対して、納得できていないらしくて。それで直接、俺のところに来たんだ。もう一度、お見合いの場を設けてほしいと」

お見合いを断られたことが、よっぽどお相手の方のプライドを傷つけたのであろう。
わざわざ会社まで乗り込んで来たのだから、相当柊真に執着している。

「そうだったんだ。それは大変だったね…」

「大変だったよ。お見合いはできませんってはっきり伝えても、最後まで諦めてくれなくて。お相手の方の付き人が来てくれたお陰で、彼女を連れて帰ってくれたから助かったよ」

どんなに訴えかけても諦めてくれない相手を相手するのは、精神的にかなり疲弊したであろう。柊真の疲労が垣間見えた。

「お疲れ様。お付きの人が来てくれて良かったね」

「ありがとう。美優に早く会いたかった…」

柊真の抱きしめる力が強まった。それだけ早く私に会いたかったことが伝わった。
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