欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
ちょっとごめんねと目隠しをされてカーディガンを脱がされる。
「え、恵那ちゃん?」
「ちょっと足上げて」
梨花子の目が塞がれている感覚だと着ぐるみを着せられているのかなと思う感じだった。
「さっ、立って」
「ど、どこに行くの?怖いよ」
「私に捕まっててね」
「ゆ、ゆっくり歩いて」
「うん、ゆっくりね」
ちょっと止まるよと言うと恵那ちゃんは電話をしているようで「OKだよ、はーい」と声がした。
「梨花子、これ持って」
手に何か棒みたいなものを渡された。
歩くよと恵那ちゃんにつれて行かれるとマイクから大澤くんの声がした。
「皆様、ここでご報告があります、この会場から1組の夫婦が誕生しました〜拍手〜」
周りから拍手が聞こえる。
「おい、聖司?」
聖司は幸成の腕を持って立たせた。
「はい、10年間消息不明だった仙道幸成が先日笹本梨花子さんと結婚しましたー」
男子からの冷やかしのヤジが飛んでいる。
「俺が聞くところによると結婚式をしていないそうなんです、そこで今回集まる機会がたまたまあったので人前式をしようと幹事で計画しました」
えっ?
「聖司、聞いてないぞ」
「言ったらびっくりしないだろ?」
「皆さん、幸成の左手の指に結婚指輪があることに何人か気づいたと思います、爆モテの幸成に心揺らいだ女性陣もいたかとおもいますが残念ながら既に既婚者です、それでは花嫁の入場です」
「梨花子、歩くよ」
恵那と梨花子が会場に入ると幸成が梨花子に寄っていった。
「梨花子、大丈夫か?」
「うん」
「目隠しとるぞ」
ゆっくり目隠しを取った幸成は梨花子が目を開けるのを待った。
会場からは拍手が起きている。
「えっ!私…ウェディングドレスを着てる!」
「綺麗だがワンピースの上に着たな(笑)」
「仕方なかったのよ、バレちゃうし」
「私、てっきり着ぐるみ着さされてるかと…転んだらどうしようってお腹押さえてて……あっ」
「おっと、もしかしてお腹に赤ちゃんがいるのかな?」
「えっと…どうしよう幸成」
幸成は聖司からマイクを奪った。
「実は地元に帰ってきたのは去年の春、すぐに梨花子に会いに行って結婚してないことを知り俺から猛アタックした、梨花子は俺らが中学1年の時にクラス委員をして出会った、でも俺は自分の夢を叶えるために上京して10年みんなと連絡を断ちひたすら働いてきた…梨花子が初恋だった、絶対俺のものにしたかったんだ」
男子の冷やかしの声や指笛が響く。
「聖司のはからいで梨花子にウェディングドレスを着せれて騙されて良かったと思っている、ありがとう」