欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
初めて見せた母親の弱い所だった。
幸成は自分の性格に似た母親だから自分を頼ってくるとは思わなかった。
でも梨花子の負担になるなら構わないと言ったが本心は広い寺に1人でいる事も不安なのだろう…
初めて両親の老いを感じた。
次の日、幸成は梨花子にあと1ヶ月実家にいて欲しいと梨花子の家族の前で話したのだった。
梨花子の両親は「うちは全然構わないから実家に帰ってあげて」と言ってくれた。
「梨花子、話がある」
「うん…」
梨花子の部屋に2人は行き、これからの事について話すことに…
「梨花子、俺悩んだけど先に僧侶の修行をすることにする…」
「そう…3年くらいかしら?」
「長くて3年かも、色々時間ある時には勉強はしていたんだ、できれば2年で戻ってきたいとは思っている」
「お坊さんてお休みとかはあるの?」
「あるよ、でも夏くらいしか戻ってこれないかもしれない」
「東京のお寺に行くのね」
「そうしたい…ごめん、花凜が1番可愛い時期に一緒にいれなくて」
「仕方ないよ、病気は仕方ない…うん」
「1番辛いのは俺はきっと性欲、梨花子を抱けないのが辛い」
「もう〜幸成ったら(笑)」
「修行して性欲なくなったらどうしようってそれが1番気になるんだ煩悩を制御できるかな」
「大丈夫よ、幸成ならきっと頑張れる」
「3月のBARのオープンが終わったら東京に行く」
「うん」
「それまで聖司に教えこまなきゃな、今度聖司を東京のBARに連れていって酒の作り方を教わる」
「私は実家でゆっくり過ごすから気にしないで行ってきてね」
そして父親の手術も無事終わり、幸成は朝は実家の寺を手伝い、午後は梨花子の実家で2人と過ごし、夜はマンションに戻って聖司とこれからの店の勉強をする日が続いた。
BARのオープンの日は花凜を実家に預けて恵那ちゃんとお店に行った。
「聖司、めっちゃ緊張してる〜(笑)」
恵那ちゃんにからかわれながらオープン初日は地元の人が来店してくれて賑やかだった。
「街まで呑みにでなくて助かるよ」と声をかけていただく事が多くて皆が集まれる場所を提供できた幸成を梨花子は改めて尊敬したのだった。
カウンターにはたくさん勉強した証のノートが置かれてあって大澤くんの努力も感じた。
元々人と話すことが好きな性格はわかっていたので幸成も声をかけたんだろう。
明るい恵那ちゃんともお似合いだ。