欲望と煩悩の狭間で初恋の彼女を愛でる
新しい家族

「……っ、幸成」

食事の支度をしていた幸成は梨花子の声に気づき駆け寄った。

「きたか?」

「うん……」

「着替えてくる」

幸成はお酒もしばらくやめていてくれていつでも車に乗れるようにもしていてくれた。

お互いの家に病院に行きますと連絡をして車で病院に向かった。



丸1日苦しんだが無事に幸成の立ち会い出産のもと女の子が産まれた。

意外にも幸成は泣いていて赤ちゃんを抱きながら号泣していて梨花子は逆にびっくりした。

「ずっと一緒にいたからさ…本当に嬉しい、ありがとう梨花子」

「こちらこそ一緒にいてくれてありがとう、パパになったね」

「俺がパパか……仕事も頑張らなきゃな」

「名前も考えてよね」

「そうだった」

候補は考えてあったが女の子なら花という漢字を入れたいと2人は決めていた。

梨花子と梨花子の両親の思いを継いで…

「仙道花凜(せんどうかりん)だよ」

幸成は赤ちゃんのほっぺたをツンとつついた。

次の日には両親も病院に来て、花凜と対面した。

退院した後は梨花子は実家で過ごし、幸成は毎日通った。

今年の年越しは梨花子の実家で過ごすことになり、幸成の誕生日も笹本家でお祝いしたのだった。


「花凜、怜くんだよー」

「怜士おじさんだろ(笑)」

梨花子と花凜は部屋に戻り、幸成と怜士の2人はリビングで話していた。

「怜士は戻ってくる気はあるか?」

「仕事は?」

「俺の実家の近くの空き家をリノベーションしてBARを経営する、一応聖司が責任者になるが1人では休む時間が中々取れないんだ、できれば2人で回したいと思っている」

「BARか…田舎にくるかな?」

「近所の人や外国人観光客に焦点を当てている、素泊まりも出来る仕組みだ」

「でも幸成さんも働くんだろ?利益出なくない?」

「俺は別の空き家を民宿にしたいと思っているんだ、しまなみ海道を渡る人が泊まれる民宿をな、世界から自転車で渡る観光客狙いだ、県をあげて広まりつつある」

「あー、会社として立ち上げるのか」

「そうだ」

「おもしろそうじゃん…とりあえず彼女に話してみる、ついてきてくれたらやるよ」

「わかった、3月オープン予定だ」

「了解、頭に入れておく」

おやすみと怜士は言って部屋に上がって行った。

幸成も梨花子の部屋に行き寝ている2人の顔をジッと見ていた。

「はぁ……どうすっかなぁ…」

1人になった幸成は頭を抱えていた。

新しい事業を進めたいが母親から父が年が明けたら2週間ほど入院する事を聞いたのだ。

初期の胃がんと診断されたという。

その間寺に帰ってきて欲しいと母親が言ったのだ。
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