両手いっぱいの、大好きを。
虹くんの方に、全員の視線が突き刺さった。

虹くんは、死んだ魚の眼をしている。

男の子が「プッ」と吹き出し、虹くんが睨みつけた。

男の子たちが、ヒイイッと震えあがる。

その様子に女の子が目をハートにするせいで、虹くんが引いてて。

私は、カオスな世界線過ぎて、絶望と喜びが入り混じった喜怒哀楽スムージー状態。

これを、ユーラシア大陸の全ての民に公表したいと思ったのは、私だけじゃないはず。

「見んなって…」

さっきから自分の腕で目元を覆って、ため息ばっかりついてる虹くん。

その顔には、思いっきり朱色が走っていて、可愛さが増している。

私は、虹くんに近づいた。

虹くんが、隠していた腕をどける。

そして、『どうしたの?』とでも言うような顔を向けた。

私は、言った。

「虹くん、似合ってるよっ」

と、究極の褒め台詞(ゼリフ)を、ね―――


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