両手いっぱいの、大好きを。

キミの好きな人は、分かってる。

学校の最寄り駅に着くと、虹くんは
千輝くんと一緒に学校に向かってしまう。

だから、私は1人寂しく学校に向かう。

早く教室に入ろうと、廊下を早足で駆け抜ける。

ードンッ

その時、誰かの肩にぶつかってしまった。

「すみません!!大丈夫ですか?」

「いえ…」

藍色のサラサラな髪の毛で、顔がよく見えない。

「…あの、胡依さん、ですか?」

「はい…そうですけど…何か?」

なんか用事かな?

「私、蒲生祐香って言います。私の名前、覚えておいてくださいね」

そう言い、その蒲生さんは軽い足取りで去っていった。

何だったんだろ…

その事を忘れようと思い、教室に入ると、真っ先に、親友の
湖宮(こみや)心結(みゆ)の元へ駆け寄った。

陽晴ヶ丘中に入って最初に出来た友達。

仲良くなったきっかけは、出席番号が前後だったこと。

心結は、黒髪で、肩に当たるくらいのストレートヘアが似合う、
私とは比べものにならないくらいのとっても美人な顔立ち。

「おはよー愛里清。今日も夏凪に会えた?」

「な、何でっ…⁉︎」

そう、心結は勘がとても鋭いんだ。

でも、私の場合は勘じゃないらしく…

「愛里清は分かりやすいよ。顔に出るし、動きに出るし、全てに出る。
特に夏凪が関係しているとなおさらだね。」

『見れば分かる』らしい。

そ、そんなに…?

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