幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
 あの時のフェリクスではない……けど。

「……フェリクス」

 私は驚いて腕で胸を隠したけれど、それは今更なのかもしれない。だって、彼には既に何もかも見られてしまっているのだから。

「はい。アリーチェ。身体を拭かないと風邪をひくよ」

 広げられて渡された大きな布で身体を覆い、私はフェリクスを見上げた。美しい顔には以前は幼さも残っていたけれど、今はもう余すところなく大人の男性。

「フェリクス……もしかして、ここでずっと待って居たの?」

「いや、アリーチェがなかなか出て来ないし、遅いから心配したんだよ。早くご飯を食べよう。せっかく作ったから、温かいうちに食べてほしくて」

「フェリクスが、ご飯を作ったの?」

 私は目を見開いて、驚いた。

 以前のフェリクスは、リース村に住む若い男性と同じく、料理や掃除など家事などはあまり出来なかった。それは、一般的な男性に言えることで、フェリクスが特別出来ない……というわけでもない。

< 40 / 160 >

この作品をシェア

pagetop