幼馴染み勇者様との一途な身代わり初恋♡~勇者の幼馴染という負けポジションの妹の身代わりになったつもりで、つもりだったのに何故か執着溺愛されちゃった私の誤算。~
 けれど、今ひたむきな好意をどんなに向けられていたとしても、フェリクスはいずれ、村を旅立ち勇者になり魔王を倒した後にはお姫様と結婚し王となる人だ。

 幼馴染みの私は一人、このリース村に残されて、彼以外の男性といつか結婚することになる。

 道が分かたれた未来を既に知ってしまっている私は、将来の自分のためを思い、決して結ばれることのないフェリクスとは深入りしてしまうことは出来るだけ避けていた。

 フェリクスが甘い雰囲気を醸し出せば『成人になったらね』と、そっと胸を押し返してから宥める。

 完璧な男性を思わせるフェリクスも、そういう時には、面白くないことを示すような不満げな表情になる。けれど、もうすぐ成人になるから我慢しようという思いもあるのだろう。

 もしかしたら、拒んでいるのに強く押して嫌われたくないと思っているのかもしれない。私には決して、無理強いはして来ない。

 ……とは言っても、私だけは、この先に起こることをもう知っている。

 フェリクスが十八歳になるその日に、王都にある中央神殿から、宣託が下され勇者となる彼のために迎えはやって来る。

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