塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました
震えながら顔を上げたのは、幼い姉弟と十代半ばほどに見える少女の三人。姉弟を守るように抱きしめている少女の顔を見た瞬間、レナルドは雷に打たれたような衝撃を受けた。
「きみは……」
それは、ずっと会いたかった少女に違いなかった。
あの頃の可愛らしさを残したまま、顔立ちは少し大人びている。だが、柔らかそうなミルクティーベージュの髪も、海のような美しい青い瞳も変わっていない。
だが、彼女はレナルドの顔を見ても何の反応も見せなかった。あのあとレナルドは成長期を迎え、ぐっと背が伸びた。鍛錬の効果が出たのか身体つきはたくましくなったし、母親似だと言われていた顔立ちも、最近では父親に似てきたと言われる。そもそも八年前に一度会ったきりの相手など覚えていなくて当然なのだが、自分は彼女のことを一目見ただけで分かったのにと少し切ない気持ちになった。
結局、レナルドは初対面として彼女に接することにした。念願の自己紹介をして、彼女がブラン男爵令嬢であることを知る。ブラン男爵家が社交に積極的でないことはレナルドも知っていたので、それで会えなかったのかと腑に落ちる気持ちだった。
レナルドのことは覚えていなくても、ラシェルは笑顔で受け答えをしてくれた。孤児院の子供たちにも懐かれている様子から、定期的に慰問活動をしているのだろう。外見だけでなく内面も美しい彼女に、レナルドはあらためて惚れ直す思いだった。
もっとたくさん話していたいと思ったが、レナルドは職務中だ。名残惜しい気持ちで仕事に戻ろうとしたら、ラシェルが心配そうな声をあげた。
「きみは……」
それは、ずっと会いたかった少女に違いなかった。
あの頃の可愛らしさを残したまま、顔立ちは少し大人びている。だが、柔らかそうなミルクティーベージュの髪も、海のような美しい青い瞳も変わっていない。
だが、彼女はレナルドの顔を見ても何の反応も見せなかった。あのあとレナルドは成長期を迎え、ぐっと背が伸びた。鍛錬の効果が出たのか身体つきはたくましくなったし、母親似だと言われていた顔立ちも、最近では父親に似てきたと言われる。そもそも八年前に一度会ったきりの相手など覚えていなくて当然なのだが、自分は彼女のことを一目見ただけで分かったのにと少し切ない気持ちになった。
結局、レナルドは初対面として彼女に接することにした。念願の自己紹介をして、彼女がブラン男爵令嬢であることを知る。ブラン男爵家が社交に積極的でないことはレナルドも知っていたので、それで会えなかったのかと腑に落ちる気持ちだった。
レナルドのことは覚えていなくても、ラシェルは笑顔で受け答えをしてくれた。孤児院の子供たちにも懐かれている様子から、定期的に慰問活動をしているのだろう。外見だけでなく内面も美しい彼女に、レナルドはあらためて惚れ直す思いだった。
もっとたくさん話していたいと思ったが、レナルドは職務中だ。名残惜しい気持ちで仕事に戻ろうとしたら、ラシェルが心配そうな声をあげた。