塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました
未練がましい自分に情けなくなりながら、レナルドはもらったハンカチも大切に保管している。
だが、ラシェルに近づくことはできずにいた。
もともと社交に積極的でないブラン男爵家は、ほとんど夜会に顔を見せない。時々見かける夜会でも、彼女の隣にはいつもセヴランがいる。幼馴染である彼らは婚約こそしていないものの、いずれ二人が結婚するであろうことは周囲もうっすらと理解していた。そんな状況で、レナルドがラシェルに近づくことなど、できるはずがなかった。
孤児院で会った時の質素な姿ですら彼女の美しさは隠しきれていなかったが、着飾れば目を奪われるほどに美しかった。彼女をエスコートするのが自分であったなら、どれほど幸せだろうかと思いつつ、レナルドは遠く離れた場所からラシェルをただ見つめていた。
あんなにも素晴らしい女性がそばにいるのに、セヴランは女癖の悪い男だった。彼はあちこちの夜会で顔を見かけるが、いつも違う女性がそばにいる。真偽は定かではないが、乱交まがいの仮面舞踏会に参加しているという噂さえあって、どうしてそんな男がラシェルを手に入れられるのだと腹立たしい。
セヴランの不貞を突きつければ、ラシェルはあの男との結婚を諦めるだろうか。
社交界でも認知されている二人を引き裂くようなことを考える自分に嫌気がさしながら、レナルドは報われない想いをずっと胸の中に抱え続けていた。
そしてある日、レナルドはラシェルを手に入れる絶好の機会を手に入れた。
だが、ラシェルに近づくことはできずにいた。
もともと社交に積極的でないブラン男爵家は、ほとんど夜会に顔を見せない。時々見かける夜会でも、彼女の隣にはいつもセヴランがいる。幼馴染である彼らは婚約こそしていないものの、いずれ二人が結婚するであろうことは周囲もうっすらと理解していた。そんな状況で、レナルドがラシェルに近づくことなど、できるはずがなかった。
孤児院で会った時の質素な姿ですら彼女の美しさは隠しきれていなかったが、着飾れば目を奪われるほどに美しかった。彼女をエスコートするのが自分であったなら、どれほど幸せだろうかと思いつつ、レナルドは遠く離れた場所からラシェルをただ見つめていた。
あんなにも素晴らしい女性がそばにいるのに、セヴランは女癖の悪い男だった。彼はあちこちの夜会で顔を見かけるが、いつも違う女性がそばにいる。真偽は定かではないが、乱交まがいの仮面舞踏会に参加しているという噂さえあって、どうしてそんな男がラシェルを手に入れられるのだと腹立たしい。
セヴランの不貞を突きつければ、ラシェルはあの男との結婚を諦めるだろうか。
社交界でも認知されている二人を引き裂くようなことを考える自分に嫌気がさしながら、レナルドは報われない想いをずっと胸の中に抱え続けていた。
そしてある日、レナルドはラシェルを手に入れる絶好の機会を手に入れた。