塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました
 だが、レナルドは眉尻を下げてラシェルをあらためて見つめた。

「でもそれなら尚更、初夜には申し訳ないことをしてしまった。初めてのきみに辛い思いを……」

「それでも、私が全てを捧げたいと思うのは、レナルド様だけですから」

 はっきりと告げると、レナルドの手がそっと頬に伸ばされた。ラシェルの方からも頬を擦り寄せると、優しく頬を撫でられる。

「……それなら、もう一度最初から全部やり直させて。きみへのプロポーズも、初夜も、全部」

 そう言って、レナルドはゆっくりと立ち上がるとラシェルの前に膝をついた。
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