塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました

「私もレナルド様のことを、愛してます。私の全てをあげるから、レナルド様の全部を私にください」

「あぁ、俺の全てをラシェルに捧げるよ」

 そう言うと、レナルドはもう一度ラシェルに深く口づけた。

 ◇

 深く抱きあいながら、ラシェルはレナルドに手を伸ばした。

「レナルド様、手……握って、ください。シーツじゃなくて、あなたに頼りたい、から」

 呼吸を乱しながらも懸命に伝えた言葉に、レナルドがハッとした顔になる。そして彼は何度もうなずくと、ラシェルの手をしっかりと握りしめた。

「ありがとう、ラシェル」

「私が手を握っていてほしいのは、レナルド様だけ。大好きな人に抱かれながら、手を繋いでいられるって……すごく幸せです」

「あぁ、そうだな。俺もそう思う」

 レナルドは目を細めるとラシェルの手の甲に口づけて、指を絡めるように手を繋ぎ直した。

 その手のぬくもりに幸せを感じながら、ラシェルは目を閉じた。
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