塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました
ユーグの話があまりに現実とかけ離れていて、ラシェルは思わず声をあげてしまった。だが、レナルドに言い寄る令嬢がいなくなったと聞いて、きっと対外的には仲睦まじい夫婦であるというように装っていたのだろうと思い直す。
「本当に? ラシェル嬢が俺の妻……?」
確認するように見つめられて、ラシェルは小さくうなずいた。ユーグの語る内容は真実ではないが、ラシェルがレナルドの妻であることは紛れもない事実だ。
その瞬間、レナルドは柔らかな笑みを浮かべた。そんな優しい顔は初めて見る。
「そうか……俺は、きみと結婚していたんだな。すまない、頭を打った影響で少し混乱していて覚えていないんだ……。でも、俺がきみを愛していたことだけははっきりと分かるよ。きみの顔を見た瞬間、苦しいくらいに愛おしい気持ちでいっぱいになったんだ」
「たとえ記憶がなくたって、惚気は健在だなぁ、レナルド」
揶揄うようにユーグが言うが、ラシェルは内心の動揺を隠せない。愛を語られたことなんて初めてだし、そもそもこんな笑顔を向けられたことすら初めてなのだ。だがここで、二人の関係が仲睦まじいものではなかったと訂正するのも躊躇われる。結局ラシェルは、曖昧な笑みを浮かべていることしかできなかった。
「本当に? ラシェル嬢が俺の妻……?」
確認するように見つめられて、ラシェルは小さくうなずいた。ユーグの語る内容は真実ではないが、ラシェルがレナルドの妻であることは紛れもない事実だ。
その瞬間、レナルドは柔らかな笑みを浮かべた。そんな優しい顔は初めて見る。
「そうか……俺は、きみと結婚していたんだな。すまない、頭を打った影響で少し混乱していて覚えていないんだ……。でも、俺がきみを愛していたことだけははっきりと分かるよ。きみの顔を見た瞬間、苦しいくらいに愛おしい気持ちでいっぱいになったんだ」
「たとえ記憶がなくたって、惚気は健在だなぁ、レナルド」
揶揄うようにユーグが言うが、ラシェルは内心の動揺を隠せない。愛を語られたことなんて初めてだし、そもそもこんな笑顔を向けられたことすら初めてなのだ。だがここで、二人の関係が仲睦まじいものではなかったと訂正するのも躊躇われる。結局ラシェルは、曖昧な笑みを浮かべていることしかできなかった。