塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました
「レナルド様がお怪我をされたと聞いたわ。わたくしたち、お見舞いに来ましたの」
「お怪我の具合はいかがですか? 心配でたまらなくて……。どうか一目でいいから、お会いできないかしら」
ぐいぐいとクレマンに詰め寄る彼女たちは、全員高位貴族の令嬢だ。直接の交流はないが、顔だけは知っている。
レナルドが怪我をしたことを聞きつけて、やってきたようだ。さすがに記憶を失っていることまでは知らないだろうが、つい数日前の出来事をもう把握しているとは、令嬢たちの情報網は侮れない。
きっと彼女たちはレナルドのことが好きで、彼が結婚していようとも構わないと思っているのかもしれない。だってラシェルは、彼女たちよりもずっと身分が下の男爵家出身なのだから。
「申し訳ありません。レナルド様はまだ寝室でお休みなのです。療養中でもありますから、お嬢様方とはお会いになれません」
「それなら、お目覚めになるまで待たせていただくわ。せっかく来たんですもの、お顔を見ずに帰るなんてこと、できないわ」
堂々とした口調でそう宣言したのは、公爵家の令嬢だ。この中で一番身分の高い彼女の言葉に、令嬢たちはそうよそうよとうなずく。
この状況で彼女たちの前に顔を見せれば、面倒なことになることくらいはラシェルも分かっている。一旦自室に戻るべきかと考えていると、一人の令嬢がラシェルの存在に気づいた。
「まぁ、そちらにいらっしゃるのはラシェル・ブラン男爵令嬢では?」
「あらいやだ、今はブラン男爵令嬢ではなくってよ。レナルド様の奥様なんだから」
「ふふ、うっかりしていたわ。ねぇ、レナルド様はどちらにいらっしゃるの? わたくしたち、お見舞いに来たのよ」
「お怪我の具合はいかがですか? 心配でたまらなくて……。どうか一目でいいから、お会いできないかしら」
ぐいぐいとクレマンに詰め寄る彼女たちは、全員高位貴族の令嬢だ。直接の交流はないが、顔だけは知っている。
レナルドが怪我をしたことを聞きつけて、やってきたようだ。さすがに記憶を失っていることまでは知らないだろうが、つい数日前の出来事をもう把握しているとは、令嬢たちの情報網は侮れない。
きっと彼女たちはレナルドのことが好きで、彼が結婚していようとも構わないと思っているのかもしれない。だってラシェルは、彼女たちよりもずっと身分が下の男爵家出身なのだから。
「申し訳ありません。レナルド様はまだ寝室でお休みなのです。療養中でもありますから、お嬢様方とはお会いになれません」
「それなら、お目覚めになるまで待たせていただくわ。せっかく来たんですもの、お顔を見ずに帰るなんてこと、できないわ」
堂々とした口調でそう宣言したのは、公爵家の令嬢だ。この中で一番身分の高い彼女の言葉に、令嬢たちはそうよそうよとうなずく。
この状況で彼女たちの前に顔を見せれば、面倒なことになることくらいはラシェルも分かっている。一旦自室に戻るべきかと考えていると、一人の令嬢がラシェルの存在に気づいた。
「まぁ、そちらにいらっしゃるのはラシェル・ブラン男爵令嬢では?」
「あらいやだ、今はブラン男爵令嬢ではなくってよ。レナルド様の奥様なんだから」
「ふふ、うっかりしていたわ。ねぇ、レナルド様はどちらにいらっしゃるの? わたくしたち、お見舞いに来たのよ」