今日の給食、なんか変?
第一食
小学五年生のユイは、給食が大好きだった。
特に好きなのは、カレーライスの日。今日はカレーが出る日で、ユイはワクワクしていた。
「「「「「いただきまーす!」」」」」
クラス全員で元気よく言って、給食を食べ始めた。
カレーは相変わらず美味しい。ユイはスプーンを動かしながら、ふと隣の席を見た。
隣のマリンちゃんは、カレーを一口も食べていない。じっと給食を見つめているだけだった。
「マリンちゃん、どうしたの? お腹痛いの?」
「...ユイちゃん、このカレー、変じゃない?」
「え? 普通に美味しいよ?」
マリンちゃんは首を振った。
「よぉく見て。お肉の形が...変なの」
言われて、ユイは自分の皿をよく見た。確かに、お肉の形が少し変だった。でも、給食のお肉なんてそんなものだと思った。
「気にしすぎだよ。ほら、みんな美味しそうに食べてるし」
教室を見回すと、クラスメイトたちは笑顔でカレーを食べている。先生も嬉しそうに食べていた。
マリンちゃんは黙って、また給食を見つめた。
次の日、マリンちゃんは学校に来なかった。
先生が言うには、急に引っ越したらしい。
「昨日の夜、突然お父さんの仕事の都合で遠くに行くことになったんですって」
クラスメイトたちは「えー、急すぎる」と騒いでいた。
でも、ユイは何となく違和感を感じていた。マリンちゃんの机の上に、小さなメモが置いてあったのだ。
こっそり読んでみると、震える字でこう書いてあった。
「きゅうしょくたべちゃだめ」
ユイは不思議に思ったけれど、次の日もまた給食を食べた。今日はハンバーグ。これも美味しい。
クラスのみんなも、先生も、今日も笑顔で食べている。
ユイだけが気づいていなかった。
この学校では、給食を「美味しい」と感じる子だけが残れることを。
そして、「変だ」と気づいた子から、いなくなっていくことを。
(完)
特に好きなのは、カレーライスの日。今日はカレーが出る日で、ユイはワクワクしていた。
「「「「「いただきまーす!」」」」」
クラス全員で元気よく言って、給食を食べ始めた。
カレーは相変わらず美味しい。ユイはスプーンを動かしながら、ふと隣の席を見た。
隣のマリンちゃんは、カレーを一口も食べていない。じっと給食を見つめているだけだった。
「マリンちゃん、どうしたの? お腹痛いの?」
「...ユイちゃん、このカレー、変じゃない?」
「え? 普通に美味しいよ?」
マリンちゃんは首を振った。
「よぉく見て。お肉の形が...変なの」
言われて、ユイは自分の皿をよく見た。確かに、お肉の形が少し変だった。でも、給食のお肉なんてそんなものだと思った。
「気にしすぎだよ。ほら、みんな美味しそうに食べてるし」
教室を見回すと、クラスメイトたちは笑顔でカレーを食べている。先生も嬉しそうに食べていた。
マリンちゃんは黙って、また給食を見つめた。
次の日、マリンちゃんは学校に来なかった。
先生が言うには、急に引っ越したらしい。
「昨日の夜、突然お父さんの仕事の都合で遠くに行くことになったんですって」
クラスメイトたちは「えー、急すぎる」と騒いでいた。
でも、ユイは何となく違和感を感じていた。マリンちゃんの机の上に、小さなメモが置いてあったのだ。
こっそり読んでみると、震える字でこう書いてあった。
「きゅうしょくたべちゃだめ」
ユイは不思議に思ったけれど、次の日もまた給食を食べた。今日はハンバーグ。これも美味しい。
クラスのみんなも、先生も、今日も笑顔で食べている。
ユイだけが気づいていなかった。
この学校では、給食を「美味しい」と感じる子だけが残れることを。
そして、「変だ」と気づいた子から、いなくなっていくことを。
(完)


