好きです、先輩。別れてください
かっこよすぎです、先輩
「楓茉くん、今日もかっこいい〜」
高校帰りの私、桜庭 絆菜が目を釘付けにしているのは、駅前のデジタルサイネージ。
そして、そこに映っているのは、同じ高校の先輩で、若手俳優で私の最推し、星谷 楓茉くん。
涼やかなのに優しげな目元を筆頭に、形のよいパーツたちが小さいお顔に収まっている。
私は目元とふわふわなちょっと茶色がかった髪が楓茉くんのチャームポイントだと思ってる。
「あ〜、写真だけでも目の保養!」
にやにやだらしない顔で楓茉くんの控えめな笑顔を見つめている私にも、ある秘密が───
「ねえ、君。雑誌モデルとか興味ない?」
「……はい?」
とんとんっと肩を叩かれて振り返ると、サングラスのおじさんが名刺を持って私を見てる。
いわゆる、スカウトのそれ。
1人で歩いていると、こうやって声をかけられることがたまにあった。
どうせ声をかけるなら周りにもっとかわいい子いると思うんだけどなぁ。
「ぼく今さ、学生モデルの子探してんの」
「いや、そういうのは……」
「ちょっとでいいからさ?見学だけでも───」
しつこいな、って思ってさっきより強く断りを入れようとしたとき。