好きです、先輩。別れてください
ありがとう、猫葉くん
自分の中で、気持ち全部に整理をつけて迎えた木曜日。
待ち合わせ場所は、花火大会のときの神社。
「ちょっとぶりだね、猫葉くん」
「な。どっかの店入る?」
「えっと、歩きながら話さない?」
「……いいよ」
何かを察した、みたいな顔。
それでも私に笑いかけてくれるんだね、猫葉くんは。
───どこか、悲しげに。
その表情を見て、私の胸がぎしっと軋んだ。
「桜庭さんは仁那と遊びに行った?」
「うん。海とか、他にもいろいろ」
「俺も希兎と海行ったんだけどさ。仁那とがよかったって、あいつずっと拗ねてんだよ」
「やっぱり希兎くんってそういうかわいいとこあるよね」
夏休みはまだ中間くらいだけど、もう思い出話はたくさんできてる。
誰と何をした、こんなことが楽しかった。
そんなたわいない話を、たくさんたくさん。
川の近くは涼しくて、いつまでも歩いていられるような気もするけど、ダラダラと引きずるのは相手を傷つけるだけ。
会話が途切れたタイミング。何の変哲もない道端で、私は足を止めた。