好きです、先輩。別れてください

「猫葉くん」


「……なに?」




わかってくれてるんだよね、猫葉くんは。


私が歩きながら話そうって言ったときから───いや、もっと前。LINEをおくったときからかな、きっと。



それでも誘いにのってくれた猫葉くんは優しい人。


猫葉くんと話すようになる前は、やる気が無さそうないつも寝てる人、くらいのイメージしかなかった。


でも、今は知ってるよ。猫葉くんのいいところ、たくさん。




「猫葉くん。今日は話したいことがあって……」


「うん、知ってる」


「っ、ごめっ…なさ──」


「桜庭さん、えっ、ちょっ」




ごめん、ごめんなさい。


こんなに優しい人なのに。突然泣き出した私のことを、嫌な顔ひとつせずに慰めてくれるような。



考えたの、猫葉くんと歩く未来もちゃんと。


それでも私の心はどうしようもなく楓茉先輩を求めてしまうんだよ。


だから───




「ごめんっなさいっ。…猫葉くんとはお付き合いできませんっ」


「……うん」


「でもっ、ありがとう。私なんかを、好きになってくれてっ」




涙を拭ってくれようとして伸ばされた手は、宙に浮いて、また戻った。


私の涙がコンクリートの地面に落ちて染みをつくる。




「私なんか、なんて言わないで」


「えっ……?」
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