好きです、先輩。別れてください
でも、別れるならやっぱり実際に会ったときに伝えたい。



最低だって思われてもいいから、最後に楽しい時間を過ごさせて……。


わがままって言われてもいいから、思い出を作らせて……。




《午前も午後も空いてます》


《じゃあいつものとこで1時集合でいい?》


《大丈夫です!》




いつものとこって言って伝わるっていうのが小さな幸せで、忙しくても絶対に既読スルーしないところが好き。


予定がいっぱいなのは先輩のほうなのに、私の予定をいちばんに考えてくれるところが好き。


私は先輩がデートしてくれるなら何を放り出しても予定を空けるのにね。




《よかった》


《楽しみにしてるね》


《私もです!》




連続で届いた通知に、しっぽを振って喜んでいる黒猫のスタンプも送る。


喜んでくれてるのかな、先輩は。でも、私は土曜日に先輩に別れを告げるんだ……


罪悪感に痛んだ胸に、気づかないふりをした。



ほんとは今にも泣き出したい気持ちでいっぱいだったのに。


ボールで遊んでいたムンは、気づけば私の隣に寄り添っていて、慰めてくれているようだった……。
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