竜の国
朝市で朝食を
1
早いものであれから一ヶ月。
もともと順応性の高さに
定評があったあたし。
「もう何年も一緒にいる気がする」
そう言われることも
しょっちゅうだ。
会話には困らなかったけど
読み書きできなかった
この世界の文字も
簡単なものなら問題なくなった。
この世界のことも
だいぶ覚えたしね。
なによりも嬉しかったのは
珍獣扱いされなくなったこと。
お城の人達も街の人達もみんな
すっかりあたしの存在に
慣れちゃったみたい。