記憶の欠片
再び巡り会う
三湊side
客足は、相変わらず静かなままだった。
「今日はもう来なさそうだな」
カウンターの向こうで、店長がそう言って手を振る。
「三湊、シフト終わるまで彼女達と一緒にいていいよ」
「ありがとうございます」
そう返してから、俺は二人のほうを見る。
黒瀬と、その友達――茉梨明日香。
水槽の光に照らされながら、三人でカウンターに並んで座る。
カフェの中は、時間がゆっくり流れているみたいだった。
「学校生活、どう?」
俺がそう聞くと、黒瀬は少し考えてから笑った。
「まだ慣れないことも多いけど……楽しい、かな」
「分かる。最初って疲れるよね」
茉梨が頷き、三人で他愛もない話を続ける。
授業のこと、先生のこと、クラスの雰囲気。
気づけば、時計の針は六時を回っていた。
「じゃ、俺あがるわ」
エプロンを外し、荷物をまとめる。
店の外に出ると、夕方の空気がひんやりと肌に触れた。
駅前まで三人で歩き、途中で茉梨と別れる。
「じゃあね、二人とも!」
「またね」
手を振る茉梨を見送り、家の方向が同じ俺と黒瀬はそのまま並んで歩き出した。
沈黙が落ちた、ほんの数歩先で。
「……あの」
黒瀬が、少し遠慮がちに口を開く。
「さっきは、ぶつかっちゃってごめんなさい」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が、ひくりと揺れた。
聞き覚えがある。
いや、正確には——覚えがありすぎる声色だった。
客足は、相変わらず静かなままだった。
「今日はもう来なさそうだな」
カウンターの向こうで、店長がそう言って手を振る。
「三湊、シフト終わるまで彼女達と一緒にいていいよ」
「ありがとうございます」
そう返してから、俺は二人のほうを見る。
黒瀬と、その友達――茉梨明日香。
水槽の光に照らされながら、三人でカウンターに並んで座る。
カフェの中は、時間がゆっくり流れているみたいだった。
「学校生活、どう?」
俺がそう聞くと、黒瀬は少し考えてから笑った。
「まだ慣れないことも多いけど……楽しい、かな」
「分かる。最初って疲れるよね」
茉梨が頷き、三人で他愛もない話を続ける。
授業のこと、先生のこと、クラスの雰囲気。
気づけば、時計の針は六時を回っていた。
「じゃ、俺あがるわ」
エプロンを外し、荷物をまとめる。
店の外に出ると、夕方の空気がひんやりと肌に触れた。
駅前まで三人で歩き、途中で茉梨と別れる。
「じゃあね、二人とも!」
「またね」
手を振る茉梨を見送り、家の方向が同じ俺と黒瀬はそのまま並んで歩き出した。
沈黙が落ちた、ほんの数歩先で。
「……あの」
黒瀬が、少し遠慮がちに口を開く。
「さっきは、ぶつかっちゃってごめんなさい」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が、ひくりと揺れた。
聞き覚えがある。
いや、正確には——覚えがありすぎる声色だった。