記憶の欠片

彗星の約束


 私は一歩一歩、砂浜を踏みしめながら海の方へ走った。

 冷たい夜風が頬を打つ。

 潮の香りと、湿った砂の匂いが鼻をくすぐる。

 心臓が早鐘のように鳴って、胸の奥がざわつく。

 なぜここに来ようと思ったのかは分からない。

 ただ、引き寄せられるように、この場所に足が向いた。

 直感が告げる——きっと、あそこに彼がいる、と。


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