記憶の欠片 Original

───黒瀬先輩、問題出してください!───


教室のざわめき。


チョークの粉の匂い。


窓から差し込む午後の光。


勢いよく手を挙げて、少し得意げに笑う男の子。


前髪が長くて、でも目だけはやけに真剣で。


——はい、稲くん——


私がそう呼ぶと、彼は嬉しそうに背筋を伸ばす。

< 50 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop