記憶の欠片

夕立

 それから、少しだけ日が経った。

 季節は、確かに秋へと傾いていた。

 朝夕の空気はひんやりとして、夏の名残を含んだ風が、どこか名残惜しそうに校舎の間を抜けていく。

 校庭の木々は、まだ青さを残しながらも、葉先からゆっくりと色を変えはじめていた。


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