想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜
あふれる想い
 朝、顔を合わせたらおはようと言う。
 一緒に朝ご飯を食べて、時には凱斗さんの運転する車で一緒に出社する。

 スケジュールが合わなくて、例えば私が北京、凱斗さんはマドリードにいても、一日に一度は、必ずメッセージを交わす。

 海外ステイがある時は、凱斗さんがちょっとしたお土産を買って来てくれる。
 そういったことが続いて、私もステイ先で食事に出た時や帰りの空港で、凱斗さんへの贈り物を探すようになった。

 休みが合えば、家のリビングで二人一緒にソファーに並んで映画を観たり、凱斗さんのルーティンの筋トレにつき合ったりもする。
 冷蔵庫が空っぽだったら一緒に買い物に行くし、料理だって一緒に作る。
 
 そういった日常の積み重ねが、いつの間にか私を幸せにしていた。
 
 気がついていなかっただけで、私は凱斗さんからたくさんの幸せをもらっていた。
 

 自分の気持ちを自覚して、そのことに気がつくなんて。
 
 この幸せを、今さら手放さなきゃならないなんて。

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