想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜
 偶然重なったオフの日。昼食後に入れたコーヒーを一緒に、麻衣からもらったチョコレートを出してみた。

「俺はいいや。蒼羽が食べて」
「チョコレート苦手でしたっけ」
「いや、甘いもの全般そんなに食べない」
「レストランではデザートも全部食べてませんでした?」
「出されたものを残すのは嫌いなんだ」

 ああ、そういうことだったんだ。凱斗さんらしいと納得する。

 コーヒーのお供に一つだけ出して、後は冷蔵庫にしまう。
 残りは凱斗さんがいない時につまむことにしよう。

 ソファーに戻り、ちょっと迷って凱斗さんの隣ではなく、一人掛けのソファーに腰掛けた。

 今までは、なにも考えずに隣に座って来たけれど、自分の気持ちを自覚してからは、凱斗さんに近づくだけで無駄にドキドキしてしまうのだ。

 
しばらくお互い黙ってコーヒーを飲んでいたら、凱斗さんが何かを取り出した。

「蒼羽、時間がある時に見ておいてほしいんだけど」
「なんですか?」
「結婚式場のパンフレットだよ。模擬挙式やウェディングディナー体験のチラシもある。……そろそろ俺達も、結婚式の準備を始めないか」

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